「褒める」と「承認する」は違う――営業コミュニケーションの承認のスキル

営業では、「お客様を褒めることが大切」と言われることがあります。
しかし、『セールスの教科書 中級』では、「褒めること」と「承認すること」は少し異なると整理しています。
承認とは、相手の価値を認め、敬意を表すコミュニケーションです。

どの言葉も、一見すると前向きな応答に見えます。
ただし、承認では、「何を言うか」だけではなく、「どの立場から伝えているか」が重要になります。

中級テキストでは、顧客本人の体験や業績、生き方などを承認するときには、感動や感銘を受けたこと、そして貴重な話を聞けたことへの感謝を伝えると説明しています。
「あなたは立派です」と評価するのではなく、
「そのお話に感銘を受けました」
と、自分の側の反応として伝えるのがポイントです。

テキストでは、褒める行為は、目上から目下へ行う形になりやすいため、営業担当者がお客様に対して使うと不自然になる場合があると説明しています。
そのため、顧客本人を承認するときには、「評価」ではなく「感銘・感謝」として伝える方が自然です。

承認を、単なる販売テクニックとして使うと逆効果になることがあります。
中級テキストでも、販売意図が見える褒め言葉は、「お世辞」や「こびへつらい」と受け取られる可能性があると注意しています。
承認は、顧客への純粋な関心と敬意から、心から感じたことを誠実に伝えることが基本です。

営業コミュニケーションでは、相手に好かれようとして褒めることよりも、相手の体験や考え方に本当に価値を感じたとき、それを敬意ある言葉で伝えることの方が大切です。
「何か褒めなければ」と探す必要はありません。
むしろ、
「今の話のどこに、自分は本当に感銘を受けたのか」
を考えて、そのまま言葉にする。
それが、自然な承認につながります。
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