仕事をする目的、価値観


イェール大学で組織行動学を研究するエイミー・レズネフスキー教授の調査によると、人は仕事をする目的に従って次の3つのタイプに分類されると言います。

①ジョブ(JOB):お金と生活のための労働

このタイプの人たちは仕事からではなく、仕事以外の活動から満足を得ようとする傾向があります。

②キャリア(Career):高い地位と責任のための仕事

このタイプの人たちは、収入のためだけではなく昇進や名誉を得るために仕事をします。結果が出なければやる気を失います。

③コーリング(Calling):充実と社会的意義、使命感で行う仕事

仕事そのものに意味と意義を感じており、仕事が自分のアイデンティティとさえ感じています。

この中で、「ジョブ」タイプと「キャリア」タイプはお金や昇給など外から与えられる報酬が仕事へのモチベーションです。一方、「コーリング」タイプは自分が内面的に感じる「意義」を仕事のモチベーションにしています。
「コーリング」の仕事の仕事観を持つ人は、仕事や人生の満足度が高く、心身ともに健康で成功しやすいことが分かっています。レズネフスキー教授の調査によれば、単純に好きなことが仕事にできていれば「コーリング」タイプになる訳ではなく、その仕事に費やした年数が長い人ほど「コーリング」タイプの仕事観を持つ人が多くなるそうです。

皆さんは今、どのタイプに属しているでしょうか?

成功した営業担当者の多くはコーリング(Calling)タイプ

インセンティブ(歩合給)の導入、社内コンペの実施、表彰等、営業担当者のモチベーションを上げるために会社が行う施策のほとんどは、上記の①ジョブや②キャリアに該当する人に向けて行われるものです。確かに「営業成績を上げたらボーナスが増える」「表彰される」等は、分かりやすくモチベーションを向上させる効果はありますが、「馬ニンジン」的な施策であることは否めませんし、優秀な人材をつなぎとめるという点では限界もあります。

しかし、営業という仕事自体に意義ややりがい、使命感、人間的成長の喜びを感じているコーリングタイプは、それらの外から与えられる報酬があってもなくても勤しんで仕事をしますし、結果的に経済的にも豊かになり昇進もするようになるケースが多いです。

営業という仕事であっても営業以外の仕事でも、仕事をする目的を確認することはキャリア形成上、とても大切です。

是非一度、仕事の目的について考える機会を作ってみて下さい。